前の記事では、ボートレースのオッズの見方と、払戻金の計算方法を解説しました。
オッズから払戻金を計算できるようになると、次に確認したいのが「舟券が的中したときに利益が残るか」です。
ボートレースでは、舟券が的中したにもかかわらず、収支がマイナスになることがあります。
この状態は、一般に「トリガミ」と呼ばれます。
例えば、複数の買い目を合計1,000円購入し、的中した舟券の払戻金が800円だった場合です。
舟券は的中していますが、収支は200円のマイナスです。
トリガミを避けるには、当たりそうな買い目を考えるだけでなく、購入点数、投資総額、オッズ、払戻金を購入前に確認する必要があります。
この記事では、ボートレース初心者の方に向けて、トリガミの意味と起こる理由、購入前に確認したい項目、トリガミを減らすための考え方を解説します。
トリガミとは
トリガミとは、購入した舟券が的中したものの、払戻金が投資総額を下回り、収支がマイナスになる状態です。
例えば、次の条件で舟券を購入したとします。
- 購入点数:5点
- 1点あたりの購入金額:100円
- 投資総額:500円
- 的中した舟券のオッズ:4.0倍
- 払戻金:400円
収支は次のようになります。
払戻金400円 − 投資総額500円 = 100円のマイナス
舟券は的中していますが、全体では100円負けています。
これがトリガミです。
不的中で投資額を失う場合とは異なり、トリガミでは払戻金を受け取れます。
しかし、購入したすべての買い目を合計すると、使った金額を回収できていません。
的中と利益は別に考える
ボートレースの結果を見るときは、次の2つを分けて考える必要があります。
- 舟券が的中したか
- 最終的に利益が残ったか
的中したかどうかだけを記録すると、トリガミでも「1回的中」として数えられます。
しかし、収支や回収率で見ると、そのレースはマイナスです。
例えば、10レース中5レースで的中しても、払戻金の合計が投資額を下回れば、全体の収支はマイナスになります。
そのため、的中率が高いことと、利益が出ることは同じではありません。
トリガミが起こる主な理由
トリガミが起こる主な理由は、購入点数に対して、的中した舟券のオッズが低いことです。
買い目を増やしすぎる
買い目を増やすと、的中する可能性は上がります。
一方で、購入点数が増えるほど投資総額も増えます。
例えば、1点100円で10点購入すると、投資総額は1,000円です。
このうちオッズ8.0倍の舟券が的中した場合、払戻金は800円になります。
払戻金800円 − 投資総額1,000円 = 200円のマイナス
買い目を広げたことで的中できても、利益が残らない場合があります。
人気の買い目を複数購入する
人気のある組み合わせは、オッズが低くなりやすい傾向があります。
低いオッズの買い目を複数購入すると、どれかが的中しても、払戻金が投資総額を超えない場合があります。
特に、1号艇を中心に人気艇を広く組み合わせる買い方では、購入前に払戻金を確認する必要があります。
当てることを優先しすぎる
「外したくない」という理由で候補を増やしていくと、購入点数が多くなります。
的中する安心感を優先した結果、利益を出すために必要なオッズも高くなってしまいます。
買い目を追加するときは、その買い目が本当に必要かを考えることが大切です。
トリガミの確認方法
トリガミになるかどうかは、次の計算で確認できます。
収支 = 払戻金 − 投資総額
収支がプラスなら利益、ゼロならプラスマイナスゼロ、マイナスなら損失です。
トリガミになる例
- 購入点数:6点
- 1点あたり:100円
- 投資総額:600円
- 的中オッズ:5.0倍
- 払戻金:500円
払戻金500円 − 投資総額600円 = 100円のマイナス
この場合は、舟券が的中してもトリガミです。
利益が残る例
- 購入点数:6点
- 1点あたり:100円
- 投資総額:600円
- 的中オッズ:8.0倍
- 払戻金:800円
払戻金800円 − 投資総額600円 = 200円のプラス
同じ6点を購入しても、的中した舟券のオッズによって収支が変わります。
購入前に損益分岐を確認する
損益分岐とは、投資総額をちょうど回収できる境目です。
1点100円で複数の買い目を購入し、そのうち1点だけが的中する場合、購入点数と同じ倍率がおおよその損益分岐になります。
| 購入点数 | 投資総額 | 損益分岐オッズの目安 |
|---|---|---|
| 1点 | 100円 | 1.0倍 |
| 3点 | 300円 | 3.0倍 |
| 5点 | 500円 | 5.0倍 |
| 6点 | 600円 | 6.0倍 |
| 10点 | 1,000円 | 10.0倍 |
例えば、5点を100円ずつ購入する場合、投資総額は500円です。
オッズ5.0倍の舟券が的中すると、払戻金も500円になります。
この場合、収支はプラスマイナスゼロです。
利益を残すには、5.0倍を超えるオッズが必要です。
ただし、実際のオッズは締切まで変動します。
現在のオッズが損益分岐をわずかに上回っているだけでは、最終オッズが下がってトリガミになる可能性があります。
3連単でトリガミになる例
3連単では、同じ3艇について着順違いを複数購入することがあります。
例えば、1号艇、2号艇、3号艇の全着順を購入すると、次の6点です。
- 1-2-3
- 1-3-2
- 2-1-3
- 2-3-1
- 3-1-2
- 3-2-1
1点100円なら、投資総額は600円です。
このうちオッズ4.5倍の舟券が的中した場合、払戻金は450円です。
払戻金450円 − 投資総額600円 = 150円のマイナス
選んだ3艇が上位を占め、3連単も的中していますが、全体では負けています。
3連単は高い配当になる場合がありますが、人気の並びではオッズが低くなることがあります。
着順違いを広く購入するときは、最も低いオッズが的中しても投資額を回収できるか確認することが重要です。
3連複でもトリガミは起こる
3連複は、同じ3艇を対象にする場合、3連単より購入点数を抑えやすい舟券です。
しかし、複数の組み合わせを購入すれば、3連複でもトリガミになる可能性があります。
例えば、3連複を5点購入したとします。
- 投資総額:500円
- 的中した組み合わせのオッズ:3.2倍
- 払戻金:320円
払戻金320円 − 投資総額500円 = 180円のマイナス
3連複を選べば、必ずトリガミを避けられるわけではありません。
人気艇を中心に複数の組み合わせを購入すると、各買い目のオッズが低くなる場合があります。
トリガミを減らすための考え方
購入点数を先に確認する
舟券を選び終わったら、最初に合計の購入点数を確認します。
1点100円でも、10点購入すれば投資総額は1,000円です。
各買い目だけを見るのではなく、1レース全体でいくら使うのかを確認します。
最も低いオッズも確認する
複数点を購入する場合は、高いオッズだけを見るのではなく、購入する中で最も低いオッズも確認します。
低いオッズの買い目が的中した場合に、投資総額を回収できないなら、トリガミになる可能性があります。
買い目に優先順位を付ける
すべての候補を同じように購入するのではなく、予想の根拠が強い買い目と弱い買い目を分けます。
根拠の弱い買い目まで追加すると、購入点数だけが増える場合があります。
買い目を追加する前に、その1点を増やす価値があるかを確認します。
利益が残らない買い方を見直す
予想した買い目のオッズが低く、どれが的中しても利益が残らない場合は、買い方を見直す必要があります。
候補としては、次のような判断があります。
- 買い目を減らす
- 舟券の種類を見直す
- 購入金額の配分を見直す
- そのレースを見送る
ただし、購入金額を増やせば問題が解決するわけではありません。
購入金額を増やすと、外れた場合の損失も大きくなります。
購入を見送る
オッズと購入点数を確認した結果、利益が残りにくいと判断した場合は、購入しないことも重要です。
予想したすべてのレースを購入する必要はありません。
「予想すること」と「舟券を購入すること」を分けて考えると、無理な購入を減らしやすくなります。
オッズ変動にも注意する
ボートレースのオッズは、舟券の購入状況によって締切まで変動します。
購入時点では利益が出る計算でも、締切直前にオッズが下がり、最終的にトリガミになる場合があります。
例えば、5点を合計500円購入し、対象の買い目が購入時点で6.0倍だったとします。
その後、最終オッズが4.5倍まで下がれば、払戻金は450円です。
結果として50円のマイナスになります。
そのため、損益分岐をわずかに上回るだけの買い目では、オッズ変動も考慮する必要があります。
AI予想でもトリガミ対策が必要
現在開発しているボートレースAIでは、予想上位3艇を使った3連複を検証しています。
現在の固定戦略では、1レースにつき3連複1点を100円購入するため、複数点購入によるトリガミは発生しません。
ただし、的中した3連複の払戻金が100円を下回ることは通常ないため、1レース単位では、的中時に購入額以上の払戻しになります。
一方で、1日や複数レースの合計では、的中したレースがあっても全体収支がマイナスになる場合があります。
例えば、10レースを合計1,000円購入し、1レースだけ的中して払戻金が800円だった場合です。
この場合、的中はありますが、1日の収支は200円のマイナスです。
そのため、AI予想の評価でも次の数字を記録する必要があります。
- 対象レース数
- 購入件数
- 見送り件数
- 的中件数
- 投資額
- 払戻額
- 収支
- 回収率
- 的中した買い目のオッズ
AI予想でも、的中したかどうかだけではなく、複数レースを通じて利益が残っているかを確認することが重要です。
初心者が購入前に確認したい5項目
舟券を購入する前に、最低限、次の5項目を確認します。
- 購入点数
- 投資総額
- 最も低いオッズ
- 的中した場合の払戻金
- 投資総額を差し引いた後の収支
買い目を選んだ時点で終わりにせず、最後に収支を計算することがトリガミ対策になります。
まとめ
トリガミとは、舟券が的中しても、払戻金が投資総額を下回り、収支がマイナスになる状態です。
トリガミが起こる主な原因は、購入点数に対して、的中した舟券のオッズが低いことです。
購入前には、次を確認することが大切です。
- 購入点数と投資総額を確認する
- 最も低いオッズも確認する
- 損益分岐を計算する
- 根拠の弱い買い目を増やしすぎない
- 利益が残りにくい場合は購入を見送る
舟券は、的中したかどうかだけではなく、最終的な収支と回収率で評価する必要があります。
現在開発しているボートレースAIについても、的中数だけでなく、投資額、払戻額、収支、回収率を継続して公開していきます。
トリガミを考えるときは、まずオッズの見方を確認し、払戻金と購入金額の関係を整理しましょう。
長期的な成績を見るときは、的中率より回収率が重要な理由も参考になります。
買うレースを絞る考え方については、すべてのレースを買わない理由で紹介しています。


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